この記事の内容
席は訪問先の案内を優先する
部屋に通されたら、まず案内された場所へ進みます。「こちらへどうぞ」と勧められた席を、上座に見えるからと何度も断る必要はありません。座る場所が分からないときは、入口付近で通路をふさがないように待ち、ひと言尋ねましょう。
| 場面 | 座る前の対応 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 席を指定された | お礼を伝え、その席へ進む。 | 上座・下座の知識だけで、別の席に移らない。 |
| 座布団だけが置かれている | その近くで「こちらに座ってよろしいですか」と確かめる。 | 勝手に裏返したり、座卓へ引き寄せたりしない。 |
| 案内のない和室 | 入口に近い側を目安に、座る位置を尋ねる。 | 床の間に近い席は上座の目安。景色や部屋の使い方で案内が変わることもある。 |
| ソファーや椅子が複数ある | 「どちらに掛ければよろしいですか」と尋ねる。 | 長椅子や入口からの距離だけで、自分の席を決めつけない。 |
膝や腰の都合で床に座りにくい場合は、訪問前に椅子を使えるか相談しておくと安心です。当日つらくなったときも、姿勢を我慢し続けず、楽に座れる方法を尋ねてください。席の一般的な目安は、席次のマナーでも確認できます。
和室では座布団を踏まずに移る
畳の部屋へ入る前にスリッパを脱ぎ、敷居や畳の縁、座布団を踏まないように進みます。改まった挨拶は座布団の脇や手前の畳で済ませ、勧められてから座布団を使うのが基本です。先に「そのままお座りください」などの案内があれば、それに合わせましょう。
- 脇か手前に座り、お礼を伝える。座布団の上に立ってから腰を下ろすのは避けます。
- 膝で少しずつ移動する。畳に手を添えて体を支え、座布団を動かさず中央へ移ります。無理に一度で移ろうとしません。
- 座りやすい姿勢を整える。正座がつらいときは「足をくずしてもよろしいでしょうか」と伝え、必要なら椅子を相談します。
立つときは、座布団を踏んで歩き出さず、いったん脇や後ろの畳へ移ってから立ちます。足がしびれているときに、勢いよく立ち上がる必要はありません。相手を待たせそうなら、姿勢を整えてから動くことを短く伝えましょう。
座布団の位置や向きは、使いやすいよう用意されていることがあります。畳む、重ねる、裏返すなどの片付けは自分だけで判断せず、家の方に任せます。
洋室では荷物と通り道を確かめる
椅子を勧められたらお礼を述べ、静かに腰を下ろします。挨拶や手土産の受け渡しは、互いに向き合える位置で行います。低いソファーから何度も立ち座りしにくい場合は、座ったままでよいかひと言確かめれば、無理な動きをせずに済みます。
- 飲み物を置く卓上にはバッグを載せない。荷物用の椅子や台を案内されたら、そちらを使います。
- 足元へ置く場合は通路を空ける。自分の足元の脇など、相手が通るときに邪魔にならない場所を選びます。左右を一律に決める必要はありません。
- 大きな荷物は置き場を尋ねる。椅子の数や床の状態によって置ける場所は違います。移動する前に置き場を尋ね、必要なら運び方も相談します。
手土産をまだ渡していない場合は、荷物と一緒に椅子へ置きっぱなしにせず、挨拶の後で差し出します。紙袋の扱いや冷蔵品を先に渡す場合は、手土産の選び方と渡し方を確認してください。
お茶はお礼を伝え、飲める温度でいただく
お茶を出していただいたら「ありがとうございます」と伝え、勧められたら「いただきます」と口をつけます。挨拶や大切な話の途中なら、ひと区切りを待ちましょう。勧める声がなく迷ったら、「お茶をいただいてもよろしいでしょうか」と尋ねられます。
- 器を手元へ寄せる。遠くに置かれている場合は、茶托ごと両手でそっと寄せます。卓上を引きずらないようにします。
- 蓋があれば、水滴を中へ落として外す。湯呑みに手を添え、蓋を軽く傾けます。外した蓋は内側を上にして、湯呑みの右側など空いている場所へ静かに置きます。
- 茶托を置いたまま、湯呑みを持つ。片手で側面を持ち、もう片方の手を底に添えます。熱くて持てない、飲めないときは、少し待ってからにします。
- 器を戻し、最後に蓋も戻す。飲み終わりや帰る際は、器を安定した場所へ置き、蓋を最初と同じ向きでかぶせます。「ごちそうさまでした」とお礼を伝えましょう。
蓋をこじ開けたり、割れ物を無理に片手で扱ったりする必要はありません。持ちにくいときは「器が熱いので、少し置かせていただきます」と伝えます。持ち手のあるカップなら持ち手を使い、器に合う持ち方でいただきましょう。
菓子を勧められたとき・困ったときの言い方
菓子は、添えられた菓子切りやフォークで食べやすい大きさに分けます。一口で食べにくいものを無理にほおばらず、包装があれば外して自分の皿の脇へまとめます。道具がなく迷ったときは、食べ方を尋ねて構いません。
食べられないものや飲めないものを、礼儀のために口にする必要はありません。勧めてくれたことへお礼を述べ、必要な範囲で事情を伝えましょう。残した品を勝手に包んで持ち帰らず、持ち帰りを勧められた場合も、自分が食べられるかを考えて受け取ります。
席が分からないとき
ありがとうございます。こちらに座ってもよろしいでしょうか。荷物はどちらへ置けばよろしいですか。
床に座るのがつらいとき
膝の都合で正座が難しいため、椅子をお借りできますか。
菓子を辞退するとき
ご用意いただき、ありがとうございます。申し訳ありませんが、こちらは食べられないため、お気持ちだけ頂戴します。
帰る前は器と荷物を確かめる
約束していた滞在時間が近づいたら、自分から切り上げる言葉を伝えます。お茶や菓子が残っていても、飲み切るために予定を延ばす必要はありません。「本日はありがとうございました。そろそろ失礼いたします」とお礼を述べましょう。
- 器を安定した場所へ戻す。蓋付きの器は蓋を戻し、包み紙などは散らかさずにまとめます。器を重ねたり、台所へ運んだりする前に確認します。
- 座る場所を勝手に組み替えない。座布団を畳んだり椅子を別の場所へ動かしたりせず、必要な片付けがあれば尋ねます。
- 忘れ物を確認する。足元のバッグ、卓上へ出した携帯電話、上着や傘を確かめ、部屋から玄関への案内に従います。