電話をかけるときは、名乗る、取り次ぎを頼む、本人にもう一度名乗って都合を尋ねる、用件を伝える、決まったことを確認する、の順で進めます。担当者が席にいるかと、今話せるかは別の確認です。以下の例文は取引先への連絡を想定しています。相手との関係や社内の応対手順に合わせて使ってください。
かける前に、用件と不在時の対応を決める
- 相手を確認する:会社名、部署、担当者名、電話番号。同じ名字の人がいる場合は、分かる範囲で部署やフルネームも用意します。
- 用件を一文にする:「来週の打ち合わせ日時を決めたい」など、相手に何を確認・依頼する電話かをまとめます。
- 資料を手元に置く:予定表、メモ、筆記用具、相談する資料。通話中に探して相手を待たせないようにします。
- 不在ならどうするか:自分からかけ直す、伝言を頼む、折り返しを相談する、のどれが用件に合うか考えます。回答期限がある場合は、その時刻も確認します。
電話は静かで聞き取りやすい場所からかけます。営業時間や相手から指定された連絡時間を確認し、分かっている繁忙時間を避けましょう。業種や勤務時間が異なるため、「何時なら必ず迷惑にならない」とは決められません。つながった後にも、今話せるかを確認します。
「ご在席」「ご在籍」「お手すき」は何を尋ねる言葉?
電話で担当者を呼び出す場面では、「いらっしゃいますか」「お願いできますか」で取り次ぎを依頼できます。席にいるかを尋ねたい場合は「ご在席でしょうか」、今対応できるかを尋ねたい場合は「お手すきでしょうか」が候補です。丁寧な言葉を重ねることより、確認したい内容が伝わるかを見ましょう。
| 表現 | 意味と使う場面 |
|---|---|
| ご在席でしょうか | 席にいるかを尋ねる表現です。例:「営業部の鈴木様はご在席でしょうか」。席にいても会議や別の電話で対応できない場合があります。 |
| ご在籍でしょうか | その会社・組織などに所属しているかを尋ねる意味になります。今そこにいるかを確認する「ご在席」とは異なります。取り次ぎを頼むなら「鈴木様をお願いできますか」と言うと目的が伝わります。 |
| お手すきでしょうか | 今、手が空いているかを尋ねます。受付に尋ねる場合、担当者の状況が分からないこともあります。本人につながったら、用件と必要な時間を添えて確認します。 |
| 今、2分ほどお時間をいただけますか | 本人に通話の都合を尋ねる例です。実際に必要な時間を目安として伝えます。長い相談を「少しだけ」と言って始めないようにしましょう。 |
「お手すきの際にご連絡いただけますか」は、相手の空いた時間に連絡を頼む言い方です。回答が必要な時刻までは伝わりません。期限があるなら「本日15時までに回答が必要な件ですが、ご対応可能でしょうか」のように事情と期限を伝え、難しい場合の対応を相談します。
語義の参考:小学館「デジタル大辞泉」の在席、在籍、手透き・手隙(コトバンク、2026年10月3日確認)。上の電話での使い方と例文は、語義を踏まえた説明です。
取り次ぎから用件確認までの会話例
次は、取引先の鈴木さんと打ち合わせの日程を決める例です。会社名・人名は例示です。受付に名乗った後でも、担当者に代わったら名乗り直します。
- 社名・部署・名前を名乗り、取り次ぎを頼む
「〇〇社営業部の佐藤と申します。いつもお世話になっております。来週の打ち合わせ日程の件で、鈴木様をお願いできますか」
初めての相手なら「初めてお電話いたします」と、これまでの関係に合う挨拶にします。
- 本人につながったら、名乗り直して都合を尋ねる
「鈴木様、〇〇社の佐藤です。打ち合わせ日程の確認でお電話しました。今、2分ほどお時間をいただけますか」
忙しいと言われたら、本題を続けず、かけ直せる時間を相談します。
- 用件を伝え、必要な条件を相談する
自分:「来週の打ち合わせは、10月8日15時か、10月9日10時のどちらがご都合よろしいでしょうか」
相手:「10月9日10時でお願いします」
自分:「ありがとうございます。オンラインで30分ほどを予定していますが、よろしいでしょうか」
相手:「はい、大丈夫です」
- 決まったことと次の行動を確認する
「では、10月9日午前10時から、オンラインで30分ですね。参加用のURLは本日中に私からメールでお送りします」
相手の了承を確認してから約束します。送信先が未確認なら、この時点で確認しておきます。
- お礼と終了の挨拶をする
「お時間をいただき、ありがとうございました。それでは失礼いたします」
相手にも話し残しがないことを確かめ、静かに通話を終えます。
相手が忙しいときは、かけ直す時間を相談する
「承知しました。改めてお電話したいのですが、何時頃でしたらご都合よろしいでしょうか」
時間が決まったら、「では、本日16時に私からお電話します」と復唱します。相手が時間を決められない場合は、自分が対応できる時間帯を伝えて相談してください。
急ぎの用件でも、忙しいと言われた相手にそのまま説明を続けるとは限りません。「本日15時までに納品日の確認が必要な件です。今、要点だけお伝えしてもよろしいでしょうか」と、事情を短く伝えて了承を得ます。対応が難しいなら、別の担当者や連絡手段で確認できるかを相談します。
担当者が不在なら、かけ直し・伝言・折り返しを選ぶ
不在と分かったら、戻る予定が分かるかを尋ねます。予定が分からないこともあるため、詳しい行き先や私用まで聞き出そうとせず、用件に合う連絡方法を相談しましょう。
| 選び方 | 依頼の例と確認すること |
|---|---|
| 自分からかけ直す | 自分が連絡できる時間を決められる場合。「何時頃お戻りのご予定でしょうか。では、16時頃に私から改めてお電話します」。戻る時刻は予定であり、必ずつながるという意味ではありません。 |
| 伝言を頼む | 短い連絡を伝えてもらいたい場合。「恐れ入りますが、佐藤から資料をメールで送ったとお伝えいただけますか」。名前と伝える内容を簡潔にし、受付の人に判断や回答を求めないようにします。 |
| 折り返しを相談する | 相手からの連絡を受けられる場合。「戻られましたら、打ち合わせ日程の件で佐藤までお電話いただけますか」。会社名・名前・電話番号・受けられる時間帯を伝えます。折り返しを引き受けてもらえるかも確認します。 |
折り返しを頼むときの例は、「〇〇社の佐藤です。電話番号は〈自分の連絡先〉です。本日は17時まで電話に出られます。日程確認の件で折り返しをお願いできますか」です。自分も外出などで電話に出られないなら、その予定を伝え、自分からかけ直す方法を検討します。
双方の不在が続く場合は、相手との間で使用しているメールなどで用件や候補日時を伝える方法もあります。返事が必要な期限を添え、メールを送っただけで相手が確認したと決めつけないようにします。
自分が折り返すときは、誰からの電話かを伝える
「〇〇社の佐藤と申します。先ほど鈴木様からお電話をいただき、折り返しご連絡しました。鈴木様をお願いできますか」
留守番電話や社内の伝言で用件が分かっている場合は、その件名も添えると取り次ぎやすくなります。担当者につながったら、再び名乗ってから「お電話に出られず失礼しました。先ほどのご用件を伺ってもよろしいでしょうか」と進めます。分からない内容を推測して返答しないことが大切です。
聞き取れない内容を確認し、終話前に復唱する
名前、日時、数字が聞き取れなかったら、その場で確認します。「恐れ入ります。お電話が少し遠いようです。もう一度お名前を伺ってもよろしいでしょうか」「確認させてください。10月9日の午前10時でよろしいでしょうか」のように、確認したい箇所を絞ると伝わりやすくなります。
終話前には、今回決まった内容に応じて次の点をメモと照合します。
- 日時、場所・オンラインなどの方法、必要な連絡先
- 誰が何をするか(例:自分が参加用URLを送る)
- 回答・連絡の期限、次の電話をどちらからかけるか
電話を切る順番は、顧客対応や就職応募などの場面、社内の手順に合わせます。相手が切るのを待つよう指定されている場合は従いましょう。どの場合も、話が終わったことと挨拶を確認してから、受話器を静かに置くか通話終了ボタンを操作します。